そこで、イエスはパンを取り、感謝してから、すわっている人々に分け与え、また、さかなをも同様にして、彼らの望むだけ分け与えられた。　ヨハネ６章１１節

「恵みを無駄にしない」

ヨハネ６章１〜１５節

6:1 そののち、イエスはガリラヤの海、すなわち、テベリヤ湖の向こう岸へ渡られた。6:2 すると、大ぜいの群衆がイエスについてきた。病人たちになさっていたしるしを見たからである。6:3 イエスは山に登って、弟子たちと一緒にそこで座につかれた。6:4 時に、ユダヤ人の祭である過越が間近になっていた。6:5 イエスは目をあげ、大ぜいの群衆が自分の方に集まって来るのを見て、ピリポに言われた、「どこからパンを買ってきて、この人々に食べさせようか」。6:6 これはピリポをためそうとして言われたのであって、ご自分ではしようとすることを、よくご承知であった。6:7 すると、ピリポはイエスに答えた、「二百デナリのパンがあっても、めいめいが少しずついただくにも足りますまい」。6:8 弟子のひとり、シモン・ペテロの兄弟アンデレがイエスに言った、6:9 「ここに、大麦のパン五つと、さかな二ひきとを持っている子供がいます。しかし、こんなに大ぜいの人では、それが何になりましょう」。6:10 イエスは「人々をすわらせなさい」と言われた。その場所には草が多かった。そこにすわった男の数は五千人ほどであった。6:11 そこで、イエスはパンを取り、感謝してから、すわっている人々に分け与え、また、さかなをも同様にして、彼らの望むだけ分け与えられた。6:12 人々がじゅうぶんに食べたのち、イエスは弟子たちに言われた、「少しでもむだにならないように、パンくずのあまりを集めなさい」。6:13 そこで彼らが集めると、五つの大麦のパンを食べて残ったパンくずは、十二のかごにいっぱいになった。6:14 人々はイエスのなさったこのしるしを見て、「ほんとうに、この人こそ世にきたるべき預言者である」と言った。6:15 イエスは人々がきて、自分をとらえて王にしようとしていると知って、ただひとり、また山に退かれた。

　主の御名を賛美します。
５０００人の給食の記事は４福音書すべてに記されています。教会にとって、大変重要な出来事だからです。またそれは「過越の祭り」の直前でした。
　主イエスが十字架につけられたのも過越の祭りでした。過越の子羊が神殿で屠られていたとき、主イエスはピラトの前で裁判にかけられていました。「殺せ殺せ、十字架につけろ」とユダヤ人たちが叫んでいたのです。つまり、主イエスの十字架の死とパンを与える恵みの奇跡とは深く絡み合っているのです。パンを与える主イエスを見つめながら、神の子羊として死に甦られた主イエスを見つめようとヨハネは言うのです。
　１１節には「彼らの望むだけ与えられた」とあります。この奇跡はすべて主イエスがなさったのです。弟子たちは必要経費を計算し、在庫を調査しただけです。しかし、奇跡の後弟子たちは残ったパンくずを集めながら主イエスの御業をほめたたえたと思います。ここに、「感謝」という言葉があります。英語でユーカリストと言います。聖餐を祝う礼拝を教会ではユーカリストと言います。主イエスが感謝して下さったパンと葡萄酒を頂くのです。
　そこにあったパンは大麦のパンでした。家畜のための食料であったようです。奴隷のためのパンであったようです。そのパンが主イエスの手の中で５０００人もの人々を養うものとなったのです。素晴らしいことだと思います。
　その後主イエスは山へ逃れます。人々の望む王にはなろうとしません。「人はパンのみにて生きるのではない」、その意味がよく分かっているからです。人は自分の魂の救いを本当に心がけることが大切です。主イエスは一人の魂を大切にするために神の子羊として十字架にかかって下さったのです。それで、「恵みが無駄にならないように」と言われたのです。無駄になるとは滅びることです。だから人々に甦りの命であるご自身を与えるのです。それがここで主イエスの与えて下さったパンの意味です。それは本当に人を生かすものです。この主イエスからのプレゼントを素直に頂きたいのです。

Ｓ．Ｏ

【報告と消息】

※聖餐式・月例会は９日です。
※４／２９は親睦会でした。２０名の参加がありました。
※聖餐式・月例会は９日です。
※５／　９　教会総会　広島ベルシャーレー
※５／１６　午後　「飢餓の真相」の学びがあります。
※尊い御献金に感謝いたします。（広島教会・教団本部・鳩山教会）